海と神さまと夕日と
出雲日御碕灯台は溶岩の上に
「日本一高い灯台を見に行こう」ふいに思い立ちふらりと向かった日御碕は、まるで絵画のよう。どこにカメラを向けても絵になります。
日本一高い灯台。島根半島の西のはしっこにある出雲日御碕灯台にやって来ました。、高さ43.65メートル、螺旋階段をぐるぐると162段踏むと、日本海の大パノラマが広がって松と岩の織りなす海岸線、白波の砕け散る絶壁が見渡せます。おーい、下に居るアリほどの大きさに見えるカメラマンに手を振ってみた。
灯台から出て見上げてみると、灯台の展望デッキの人がちいちゃく見えます。10階建のビルぐらいあるかもしれないです。あそこから見れば私もアリかも、なんて思いながら、灯台のまわりを歩いてみると、人工的につくったのかな?と思うほど、綺麗に連なる角柱状の模様がびっしりついた岩でした。
「柱状節理」とよばれるこの岩は、1600万年前に海中の火山が噴火し、マグマが急激に冷えて固まったものだとか。
その珍しい姿形に、とりあえず撮ったりさわったり座ったり。しげしげみると、先が丸くなったところがあって、ムーミンに出てくるニョロニョロにも見え、思いついて靴を脱いで足つぼをしてみたら。おお、良い感触。ここは?もっと良いですよー。こっちは、イタタタッ! 1600万年が身にしみわたる〜(笑)
日御碕の遊歩道
海岸沿いは「灯台と夕日の小径」と呼ばれる散歩コースになっていて、展望台の先には「鳥見台」なる場所があり、「経島」を一望できます。この島は天照大神が鎮座していたといわれる日御碕神社の神域。夏の夕日の祭りの時に、神職のみが渡ることを許される神聖な場所です。
経島はウミネコの繁殖地としても知られ、国の天然記念物にも指定されています。11月下旬頃に飛来し、ひなを生み育て、夏が来る頃にはまた飛び立って行きます。その姿をひとめ見ようと、たくさんの観光客やカメラマンがおとずれる、人気スポットでもあります。
経島と日御碕神社
その先にある日御碕神社は「日沈宮」と呼ばれ、天照大神と素戔嗚尊が祀られています。太陽の神様である天照大神は、一般的には日の出の象徴と言われますが、出雲では日の入りの象徴として親しまれています。他とは異なるいわれや文化があるのは、神々のふるさと出雲ならではで、豆知識を知りながらみるとさらに楽しめます。のどかな風景の中に現れる鮮やかな朱色の御社に、思わず目を奪われました。こうした日御碕全体が、夕日の絶景と文化が楽しめる「日の沈む聖地」になっています。
隠れ丘
日御碕には、その他にも知る人ぞ知るパワースポットがあります。艶やかな日御碕神社とは対照的に、ひっそりと山の中にあるのが「隠れ丘」。素戔嗚尊が住む場所を決めるために投げた柏の葉が、ひらりと舞い降りたのがこの地といわれています。木々に囲まれたその場所は、ただならぬ空気が流れていて、不思議と心が静まっていくような感覚になります。
カジメどん
日御碕には海の幸を美味しく味わえるお店がいくつもあります。日御碕で獲れる魚をふんだんに乗せた海鮮丼はもちろん、豪華ウニ丼も。そして、ヘルシーな海藻の丼が「カジメ丼」ワカメに似た?海藻を刻んだトロトロ、ネバネバの丼です。カジメ丼はカフェ タツザワでお楽しみください。
海底遺跡に出会える?アクア工房
灯台と日御碕神社の間の海岸にあって、ウミネコの島、経島(ふみしま)が間近に見える場所にダイビングスポット アクア工房があります。店主の岡本さんは海大好き人間。日御碕の海を知り尽くしている上に、古代の海底遺跡を探索していて、その海底遺跡と思われている場所の映像や模型も見ることができます。また、回遊するエイの群などの映像もあります。